『今日は、一日温かな日差しが期待できるでしょう』


そんな、朝見たニュースの天気予報のお姉さんの言葉に嘘は無かった、
憎らしいほどのほのぼのとした一日。





甘くて苦い

「・・・・・」 「・・・・・」 さっきからずっと続く沈黙。 いい加減に、息苦しい。 「・・・・・」 「・・・・・」 でも、背中合わせに座る彼は本に集中してて、 邪魔しちゃいけない。邪魔しちゃいけないんだけど 私と2人きりの時ぐらい私の事見て、一緒におしゃべりとか たまには外に出て買い物とか・・・ まぁ、私が彼に一目ぼれして告白したのよ? 一緒に居るだけでも嬉しい。 傍に居るだけで安心できる。 でも・・・ 「・・・・・」 「・・・ねぇ」 「・・・・・」 「ねぇってば?」 自分でも我儘だってわかってる。 自分勝手で、独り善がりで・・・ 彼の邪魔をしてばっかり。 「何?」 「えっ、あ・・・やっぱ何でも無い」 「そう?」 ふと上がった彼に顔に 意表を突かれて思わず『何でも無い』なんて言ってしまう あぁ、自己嫌悪。 やっぱ何でも無いなんて言っちゃ・・・駄目だよね? 「・・・・・」 「晴香。」 「えっ?」 じっと彼の事を見ていたらいきなり声を掛けられた。 思わず声を上げる。 「晴香・・・俺はさ、晴香の傍だから落ち着いてこうやって出来るんだ。」 「あ、えっと・・・」 「だから・・・もう少しこうさせて?」 「あっ」 ふわりと最上級の笑顔で殺し文句の後の・・・ 触れるだけの優しい口付け。甘くて苦い。 何か、ごまかされたような気もするけど・・・ でも、今は深く追求しないでおこう・・・。 From:烏夜
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