目が霞む、頭が上手く働かない

足元がぐらつく、体制が崩れる

あぁ、それでも止められない・・・





眩暈

「じゃーね、美佳」 「ばいば〜い!」 「うん・・・また明日・・・」 バタン――― 友達と別れ家に入ると直ぐに扉を閉める 「はぁ・・・疲れた・・・」 ズルズルとその場に座り込み今日学校であった事を思い出す・・・ 正確には『聞いてしまった事』だが・・・ 「ねぇ、由香ぁ実際さぁ美佳の子とどう思ってるの?」 「何よ加奈ちゃん、知ってるくせにぃ」 ・・・・・最悪だ、こんなタイミングで来てしまうなんて・・・ 私はこの手の話は得意ではない、むしろ苦手だ、 だからこそ今までそういう話は避けてきたというのに耳に入ってしまった。 引き返せば良いものを期待と不安で足を止めて聞き入ってしまう 「アハハ、だよねぇ〜やっぱりさぁ・・・」 「うんうん、何かちょっとねぇ・・・」 「暗いって言うか・・・」 「一言で言うと『ウザイ』よねぇ・・・」 キャハハハと言う笑い声なんて耳に入らずに私は唯々呆然とその場に 立ち尽くしてしまった。 『ウザイ』・・・?そんな、親友だって思ってたのに・・・ 嘘だったの?演技だったの? それこそ嘘だって言ってよ・・・信じてたのに・・・ こんな暗い私でも、親友が出来るって思ってたのに・・・ 一瞬の内に目の前が真っ暗になった。 私は兎に角足音を立てないようにその場から立ち去る事、 それしか頭に無くて、どうやって教室に戻ってのか覚えていない、 気が付いたら放課後だった。 「はぁ、笑っちゃうよね・・・騙されてたのに気が付かなかったなんて・・・  馬鹿みたい・・・」 私は座り込んだまま自嘲の笑みを浮かべて自分自身を蔑んでいる こんなの人が見てる前じゃぁできない、 父親も母親も弟も皆私の家族は『外』に敏感だから・・・ こんなの見たら今よりも輪から外されちゃう・・・ 「はっ、下らない・・・何でこんな事考えてるんだか・・・」 声に出して言うが微かに震えているのが自分でも良く分る 「・・・クスリでも飲もう・・・じゃ無きゃ身が持たない・・・」 ズルズルと重い身体を引きずって台所まで行く。 途中家具や柱の角にぶつかって擦り傷を作るが、 そんな事今の私にはどうでも良い事だ・・・ 「早く、クスリを・・・」 棚を漁るでも無く私は真っ直ぐに流しへと向かい、 一般的な大きさの果物ナイフを取り出す。 「早く、早くっ・・・」 焦りで如何しても震えてしまう指先を必死で抑えて手首へと切先を当てる スッ――――・・・ 思いのほか上手くいった、少しの痛覚との後に綺麗な紅い線がつく。 次第に玉状になって落ちるそれを唇ですくって舐め上げる ぐらりと、眩暈にも似た感覚が押し寄せる。 それと共に来るのは恍惚感と安堵感。 貪るように自らの血を舐め上げる また、眩暈・・・ 血を舐める、眩暈、血を舐める、眩暈・・・・・ それの繰り返し、いい加減痛覚が鮮明になってきたところで、 その行為を辞める・・・。 痛い、でも・・・嬉しい・・・温かい・・・ こんな私にも綺麗な物は持っているのだと、 こんな私でも皆と同じ紅を持っているんだと、 そう思えて・・・ だから止められない、止めたくない・・・ グラリ―――・・・ また眩暈・・・ 血を飲みすぎたのだろうか? それとも―――――― END ****アトガキ**** リ、リスカもの(?)です・・・ 何か上手く表現出来ていないかもです(つーか出来てない;) まぁ、いつものことなんで気にしないで下さい! でわっ!!!(逃) FROM:烏夜 2005/01/06
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